難民問題をユーモアで語る映画「希望のかなた」
映画「希望のかなた」
前回のブログ更新から4ケ月余りが過ぎ、気がつくと2018年だった(笑)
去年は後半いろいろあったが、少しづつ落ち着いてきたので、さっそく
映画を観に行ってきた。
今年初めての映画は、アキ・カウリスマキ監督の「希望のかなた」
クセになるカウリスマキの作品
シリアの空爆で家族を失い、故郷から逃げてきた主人公が、差別や偏見、
暴力に晒されながらも、レストランのオーナーの小さな善意によって
救われていくという内容だが、シリアスになりすぎず、独特な間合いと
ユーモアで笑いに変えていく。
カウリスマキ監督の作品は、セリフも少なく、登場人物も無表情で、
何を考えているのかわからない感じだが、ちょっとした会話のやりとりを
見ているうちにクスクスと笑いがこみあげてくる。
何気ないシーンを笑いに変えていくセンスは、すごいと思う。
そして、一番笑えたのが、劇中での寿司を握るシーン。
ツッコミどころ満載で、外国人あるあるネタだな~と爆笑してしまった。
難民問題というシリアスなテーマを、重くならずにユーモアで切り込み、
かといって説教臭くもなく、ちょうどいいバランスで描いている。
映画の中で描かれていることは、現実でも起こっていることだが、
日本にいると、今ひとつ実感が沸かない気もする。
しかし、難民問題は他人事ではなく、この先もしかすると自分が
そういう状況になるかもしれない。
映画をみて、ふとそう思った。
ラストは印象的だった。
これから先に待っている現実は、決して甘くはないと思うが、
少しの希望も感じられた。
どんな状況でも、その現実に対して、自分自身がどんな意味を
見出すのかで、大きく違ってくる気がする。
観終わった後にじわじわとくる、不思議な映画だ。