あなたはどう考えるか?様々な家族のかたちを描いた秀作。映画「万引き家族」
パルムドール受賞作品「万引き家族」を見た
(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
是枝監督の『万引き家族』を見た。
率直な感想としては、「やっぱり、すごいな」と思った。
もちろんスゴイことだが、それを抜きにしても、今回の作品は
今まで見た中で、個人的に一番強く心に残った。
監督がこれまで描いてきた、様々な家族のかたちの集大成となる
作品のような気がした。
家族とは何か?社会から見捨てられた人たち
(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
映画の中に出てくる家族は、社会から見捨てられた人たちだ。
彼らを通して、家族のかたちやつながり、社会との関係性など
いろいろと考えさせられることが多かった。
役者陣も見事にハマっていた。
いつもながら、監督の子役の自然な演技を引き出す演出は、スゴイと
しか言いようがない。
『万引き家族』というインパクトのあるタイトルに加え、父と息子が
万引きするシーンや、親から虐待を受けていた5歳の女の子を連れ出す
シーンなどもあり、社会的な善悪や倫理的な面から考えると、それって
どうなの?といった気持ちも出てくるのかもしれない。
実際、パルムドールを受賞したことにより、批判的な意見も出ている
ようだが・・・。ある意味、仕方ないのかもしれない。
見る人によって、受け取り方は様々だし、価値観も人それぞれ。
世の中には、善悪だけで判断できないグレーの部分もあると思うし、
考え方や価値観も様々で、一概に答えを出せるものではないと思うから。
映画でも、特に善悪をジャッジするわけでもなく、出来事を淡々と
描いており、明確な答えも提示されていない。
あなたは、どう考えるか?
それは観客である私たちに、委ねられている。
映画好きであれば、見て損はないと思う。