幅広い世代の青春を描いた、映画「恋は雨上がりのように」
小松菜奈と大泉洋というベストなキャスティング
(C)2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館
マンガ原作の実写化映画は、ほとんど見ないが、珍しく今回観たのが
「恋は雨上がりのように」という映画。
特にあまり期待はしてなかったが、いい意味で裏切られた。
17歳の女子高生が、冴えないおじさんに恋をするという
組み合わせによって、爽やかな作品に仕上がっている。
原作は未読だが、この二人のキャスティングでなければ、たぶん
成り立たなかったのかもしれない。
幅広い世代の青春映画
(C)2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館
まず、冒頭のシーンが印象的だ。
走ることが好きだというのが伝わってくる。
走ることが好きで陸上に打ち込んでいたのに、怪我で
走ることが恐くなり、表面的には何でもないように装い
心の底では、空虚感を抱えている主人公を、小松菜奈が
繊細に演じていて、見事にハマっている。
彼女の目力と、スタイルの良さはスクリーン映えするし
独特の存在感がある。
そして、冴えない中年男を演じる大泉洋も、やっぱり上手い。
女子高生から告白され、最初はとまどいを感じ、困っているのだが
次第にその真っすぐな思いに、心を動かされ、忘れかけていた自分の
姿と重なり、くすぶっていた自分の気持ちと向き合っていく様を
とても自然に演じていて、上手い。
映画を見て感じたことが、二人が画面上で一緒に並んでいても
まったくいやらしさを感じさせないことだ。
これは、この映画においては重要な点だと思った。
人生において、誰でも夢や希望に突き進んでいた時期から、何かの
きっかで前に進めなくなり、立ち止まってしまうことってあると思う。
そして、誰かとの出会いによって、止まっていた時間が動きだし
再び歩き出していく。
恋愛要素より、夢や希望、葛藤、挫折といった部分に焦点を置いて
いる為、年代問わず共感できるのではないだろうか。
観終わった後に、爽快感が残る作品だ。