何かができてもできなくても、自分の価値は変わらない。そこにいるだけでいい。
「~ねばならない」の呪縛
「もっと頑張って目標を達成しなければいけない」
「もっと上を目指して成長しなければならない」
「もっと人に喜んでもらえるように、頑張らなければいけない」
この「~ねばならない」っていう感情は、うまくいけば野心につながるけど
失敗すると自分を責め、潰してしまう。
そして、出来ない自分を知られるのが怖いから、他人に認めてもらおうと頑張り
続けて心が疲弊してしまい、やがて自分の本当の気持ちがわからなくなって
しまう。
人から嫌われないように、相手の顔色を伺ってしまう。
人に迷惑をかけないように、目立ってないか、気にしてしまう。
人とうまくやれるように、自分の言いたいことを我慢してしまう。
人からすごいと思われるように、自分を必要以上によく見せようとしてしまう。
そんなことをずっとやり続けているうちに、自分が何者なのかも
わからなくなってしまう。
「何者かにならなくては、いけない」
これは、以前ずっと私が思っていたことだった。
その頃は自分が嫌いで、自分を変えたいという気持ちが強くて、心理学を学んだり
カウンセリングを受けたり、自己啓発本を読み漁ったりした。
そして、いろいろなことを経験していくうちに、気づいたことがあった。
「結局は、自分以外にはなれない」ということ。
まあ、当たり前のことなんだけど、そのことに気づくのにずいぶんと回り道を
した。自分の感情をないがしろにして、人からどう思われるかを気にして
生きていると、気がついた時には人生が終わってしまうかもしれない。
ネガティブな感情を受け入れる
自分以外の者になろうと必死になっていた時って、やっぱり根本で「自分は
ダメだ」っていう思い込みがあり、自分に対しての肯定感が低く、人から
認められたいっていう気持ちが強かった。
人の目を気にして、自分の感情を抑え続けていくうちに、マヒしてしまい
悲しくても泣けなくなったり、本当は腹が立っているのに、何でもないフリを
してイライラして自分を責めたり、ほめられても素直に受け取れず、ひがみっぽ
くなったり。次第に、うれしいことがあってもあまり感じなくなってしまう。
そうすると、心がパサパサに乾いた状態で、何を見ても心が反応しなくなる。
そういった状態がずっと続くと、やがて心と体が壊れてしまう。
そうならないためにも、自分の感情を無視しないこと。
自分のネガティブな感情を認め、受け入れること。
「悲しかった」「不安だった」「つらかった」「寂しかった」
「わかってほしかった」「くやしかった」「腹が立った」
その感情をジャッジせず、ただただ、「そうなんだね」と認める。
感情にいいも悪いもなく、そこに意味づけをしているのは自分自身だから。
自分を許してあげよう
ベストを尽くして頑張ることはいいことだけど、でも人間だから
できないこともある。
できない時もあれば、できる時だってある。
できない時は、人に甘えてもいい。
できない自分を許してあげよう。
できても、できなくても自分の価値は変わらないから。
怒りっぽくて、ヘタレでも、自信がなくても、だらしなくてもいい。
人から嫌われても、否定されても、人から認めてもらえなくても、
自分の価値は変わらない。そこに存在しているだけで、いい。
そう思えた時に、自分が愛おしくなるかもしれない。